核医学検査術学実習レポート 平成18年9月21日
nishio

心筋シンチグラフィにおける負荷検査について。

心筋虚血の判定には、負荷時および安静時の血流分布を調べる必要がある。負荷検査にはエルゴメータ等を使用した運動負荷とシピリダモール,ATPなどの薬物を静脈注入する薬物負荷の二種類がある。負荷をかける前に、身長と体重、糖尿病、朝食をとっていないか、薬は服用していないかなどの確認を行っていた。負荷検査では後期像として3時間後にも撮影を行っていた。

運動負荷

 負荷法としては自転車エルゴメータ法とトッレドミル法の二種類がある。いずれも、安全確保をしながら多段階負荷を加えながら最大負荷時に放射性医薬品の投与を行う。実習病院では自転車エルゴメータが使用されていた。静脈を確保し、心電図を取り付けてエルゴメータに乗ってもらい一分間に約60回こいでもらい負荷をかけていた。自転車エルゴメータの場合、トレッドミルと違い負荷をかけている途中で患者様がつまずいて転ぶといった危険性がないので安全なように感じた。運動負荷のend pointは狭心痛の誘発、心電図のST低下、予想最大心拍数(220-年齢)の85%への到達、著名な血圧の低下あるいは上昇、下肢の疲労などが基準となっている。放射性医薬品の心筋集積を促すために投与後1~2分間くらい負荷を継続していた。

運動負荷のほうが、放射性医薬品が目的である心筋血流に一極集中するので撮影した画像はきれいに写る。

薬物負荷

 小児や下肢の運動障害などで運動負荷が困難な患者様は、薬剤負荷(冠拡張薬であるシピリダモールやATPを投与)が行われる。静脈を確保し、心電図を取り付けてから、ATPは約6分間かけて静脈注射し、静脈注射開始4分後に放射性医薬品の投与を行っていた。