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暗室 (講談社文芸文庫)
By 吉行 淳之介

小説には流れがあるもの

迷路にだって出口と入り口がある

「暗室」には出口はない

木の天辺が小説の入り口で

分かれた枝葉が途切れると

ムササビのように

他の枝へ移るような感覚

読んでいる私はめまいがした

一つ一つの枝にはそれなりの実がなっていました